やさぐれペダンティック

映画と舞台と調べ物

望海風斗に生殺与奪を握られたい 雪組ファントム千秋楽ライブビューイング感想

タイトルの通り。


旧友のヅカファンに布教され、宙エリザでまぁ様に落ち、その後宙組をたまに観劇するぬるオタをやっていた。
今年度になって母が突然ものすごいスピードでヅカ沼の民と化し、身内にオタクが爆誕した喜びも相まって宝塚に費やす時間が増えつつあった頃、

「ファントムはすごい」

とほうぼうで耳にした。

これは観たい、と思ったものの不運にもチケットは手に入らず、せめてと観に行った東京千秋楽のライブビューイングだった。なお雪組については実力派トップコンビだということと今すごくチケット取りづらいらしいことしか事前知識がない状態。
あまりの衝撃に、一年以上放置していたブログを更新するに至った次第である。




○だいきほの歌唱力が天元突破している

だいきほは歌ウマコンビだ、と何度伝え聞いたことだろう、ふーんそんなに上手いんだ?と思っていたが、

震えた……

比喩でなく鳥肌。ライブビューイングなのに。

真彩希帆ちゃん歌うますぎだろ(語彙がない)、最初街でメロディ歌ってるシーンで恋に落ちたわ。
シャンドン伯爵のクリスティーヌ君の歌マジで美しい大好きソングにほんとそれな〜〜といちいち共感していた。声の透明感がすごい。透き通りすぎてて身体を通過していく。
クリスティーヌの歌は最高褒め称えソングが結構あったが、希帆ちゃんの実力ですさまじい説得力だった。




ヤンデレ望海風斗に愛を歌われ続けるCDをください

だいもん……いやもうのぞ様と言わせてください、のぞ様、歌唱力が半端ないのはもう勿論のこととして、演技がすごく引き込まれる。
狂気に駆られていく様がここまで美しいジェンヌがいただろうか?子どものような純粋さ、ひたむきさが故に、唯一見えた光に向かって狂ったように突っ走っていく姿が痛々しくも惹きつけられて胸が苦しくなった。

というかこのエリック、可愛い。

クリスティーヌの前で見せる少年のような無邪気なはしゃぎぶりに弾んだ声、愛を知らずに育った感、ヴィジュアルは全然ショタっぽくないのになんかものすごく母性をくすぐられる(?)。

クリスティーヌに「ここが僕の森だよ(^∀^)キャッキャ」してる時の不器用なテンションの上がりっぷりとブッ殺すモードの時の鬼気迫る演技との落差がすごいぜ……!!

以前花ファントムの映像を観たことがあるけど、同じ歌ウマエリックでもオサさんは「オペラ座の怪人」って感じで謎の力で劇場を支配しいる、人外感のある雰囲気を感じた(映像しか観てないけど)
一方、のぞ様エリックは愛が欲しい!!人に触れたい!!と必死にもがいているさまが伝わってきてつらくてつらくて……

のぞ様苦しんでる役めっちゃ似合う。幸せになってほしい、でも苦しんでるところもっと見せてほしい、っていう謎の葛藤。
ひかりふる観てないんだけどロベスピエール絶対当たり役だよね?真面目にストイックに、考えて悩んで、その末に敵もかつての仲間さえも粛清しまくるのぞ様、観たすぎる。
あと誠の肖像で土方やってたって……そんな……中学生時代土方歳三ガチ恋夢女をやっていた身には刺激が強すぎて観られる気がしない。

20世紀号は幸運にも乗車券が手に入っているので、コメディでまた違ったのぞ様の魅力が出るのを楽しみに楽しみに待っています。

のぞ様おやすみCD(永眠的な意味で)出してくださいお願いします!!!!!「もう君は永遠に僕のものだね、何も怖いことはないから安心しておやすみ(大意)」的な内容をあの超美麗歌唱でお願いします……毎晩永眠したい。

いかんせん思いつめて破滅へと転がり落ちるヤバい人が似合うせいでのぞ様にハマるとキラキラハッピータカラヅカ☆的なところとはちょっと違う、もっと闇属性っぽいところにときめいてしまってうわぁ萌える……でも辛い……ってなりそうでちょっとハマるのが怖い。でも素敵。

何々さんかっこいいよね〜〜♡とか一番結婚したい男役〜〜♡とかそういうテンションの感想じゃなくて「生殺与奪を握られたい」みたいな気色悪い思いが湧いてしまって清く正しいヅカ友に話せない。助けて



○ハイになるヅカか、染み渡るヅカか

いつも宝塚を観劇した後は普段より1オクターブぐらい高い声で贔屓がいかにカッコよかったかを語り通し、脳がバリバリに覚醒し明日のやる気が出てくる、そんな感じだった。
組子さんのどこが良かったかを語り倒したい、そんなエネルギーがあった。
私をヅカ沼に沈めた友人が「宝塚を観ると(体の中で)なんか出る」と言っていたが、まさにやる気の素的な何かが脳から出ていた。

しかし今回の雪ファントムは、何かが出るのではなく何かを抜かれた、そんな感覚だった。
終わった後もどこが良かったかを語り倒すエネルギーは残っておらず、ただひたすらアホ面で虚空を見つめていた。
ライビュから一日経っても現実に戻れない。
「これ生で観ないと後悔するよ」と言われたが、ライビュですらこの有様なので生で観ていたら生きるのに必要な力がなくなっていたと思う。

いつもはヅカ後はヤバいハーブをキメた人のようにハイになっていたが今回はまるでアヘン窟の住人のようだ。もう何もできない。どうすればいいの私……生きていけない……


まあそんなヅカもいいよね……


とりあえずCDを買います。

この先どう生きるかについて考えたこと

今週のお題「2018年の抱負」

 

あけましておめでとうございます。

年中行事の類にあまり目が向かない自分でも、年末年始はつい感慨にふけってしまう。

 

去年は楽しかった。しかし、悩み、迷走した一年であった。悩んだ内容というのが、概ね「この先どう生きるか」というものである。

 

社会と自分と仕事

「私は今の社会をこんなふうに良くしたい。そのために今こういうことをしています!」

こんな文章をカッコいいディスカッションの場面の写真と共にFacebookに堂々と投稿できるような人*1に、はっきり言って劣等感があった。

カッコいいディスカッションがどうこうというわけではない。そういう場には何度か参加しているし、結局のところ学生が実際に何らかの問題を解決できるというよりは、場数を踏んで議論のしかたを学習するという側面のほうが大きいということを知っている。

私が彼らの何に引け目を感じたかというと、

・社会に貢献したいという意志がナチュラルに生まれているように見えること(やりたいことと社会のニーズが一致していること)

・仕事というものに、なんというか大志がありそうなこと

・現段階で将来のビジョンがはっきりしていること

の三点である。

 

動機や最終的な目的がどうであれ、だいたいの仕事というものは結局のところ社会に貢献している(何が貢献なのかという話をするとややこしくなるので割愛する)。遊ぶ金ほしさで嫌々仕事をしていようが、その働きが社会を回していて稼いだ金で遊ぶという当人の目的が果たされているなら結構なことじゃないかというのが私の持論である。

現に私も「もし天災人災で住んでいる土地がメチャメチャになったとしても必要とされる仕事か」という観点で将来の道を選んだ。非力なモヤシ野郎で人好きもしない自分をこの世界で一個の人間として生きていける存在たらしめるもの、それがプロフェッション、という認識だ。

この考えの裏にあるのは、できることなら社会との関わりはあんまり持ちたくないが、それでも社会の中で生き抜いていかなければならないので、独立した一個人として生きる対価として社会に貢献するという価値観である。

 

一方、前述のタイプの人たちからは「できることなら社会と関わりたくない」なんて香りは微塵もなく、「困っている人たちがいるんだ。なら自分ができることをやって当然だろ?」というナチュラルボーンの感覚がある。アンパンマンを観ていた鼻たれ小僧の時代から我々が刷り込まれてきた、人間のあるべき姿だ。

 

こういう人を見ると、悩む。

 

 結果さえ出せていれば動機が何であろうが構わないだろうと前述したが、やはり「社会のお役に立ちてえ!自分頑張る!みんな喜ぶ!ザッツオールライト!」という黄金ストーリーの前に不安を覚えてしまうのもまた事実。

何で不安を感じているのかについて考えてみたところ、「別に自分は社会から生まれた社会太郎じゃあないんだから、自分のため、が第一義で結果的に公益にも貢献できれば御の字なんじゃないの」と堂々と言い切れるような働きもしていなければ目標もちゃんと定まっていない、故に自信がなかった、ということなのだろう。

 

結局やることやってないからだという所に帰結するわけだ......

 

ザ†新年っぽい流れ

 

というわけで2018年の抱負。

どんな人間を見ようが、自分はこうやって生きる、と揺らがない程度の成果を上げること。

そのためにあっちゃこっちゃ目移りせず一つのことに集中すること。

御託を並べずまずは行動をしてみること。

以上。

 

 

*1:ここで言及しているのはマジで意識の高い人であって、偉そうな講釈垂れるだけで何もしない意識高い系の奴らの話ではない

スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ ネタバレあり感想+考察 (ガッカリポイント編)

前回最後のジェダイの良かった点を列記したので、今回は個人的にこれはないだろうと思った点を挙げる。

 

この映画は好きだ。たくさんのキャラクターを捌かなければいけない中でよくぞ上手いことまとめたものだと思っている(何様だよという感じだが)。何より観ていてワクワクドキドキした。観ている時の興奮は大切である。
 
しかし……所々引っかかる点があった。
これらの微妙な違和感は観た後時間が経つにつれて自分の中で大きくなっていき、この映画の自分の中の位置付けに少しながら迷いを覚えている。
そこらへんについて書いていく。
 
 
 
 
 
 
 
 
※※※ネタバレ注意※※※
 
 
 
 
 
 
 
 
スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ ガッカリポイント編
 
 
 

①精神ターンがアホ臭い

 
ルークがレイに教えを授けるシーン。フォースは自然の中ありとあらゆるものに遍在し、それぞれを繋げている的な説明があった。
そこで突如として流れる地球ドラマチックみたいな映像はなんだいあれは、種から芽が出て……ってトトロかよと思った。
 
このフォース観は旧作でも触れられていて(私の記憶が確かならば)特に目新しい考えではないのでルークの口頭でサラッと説明させるだけで十分ではないだろうか?
 
あとレイが惑星アクトゥーのダークサイドの洞窟みたいな所に行くシーンでもレイの鏡像がドクター・ストレンジの魔術のごとく増殖していく演出に吹き出してしまった。しかもけっこう長い
 
こういう雰囲気を損なう寒い演出を入れるなら、レイがなぜ戦うのかをもっと明確にできるような心理描写を入れたほうが良いのではないだろうか。
彼女の人格が掘り下げられていないせいで、まだなんでもできるすごい子枠から抜け出せていない気がする。Honest Trailers でメアリースー呼ばわりされていて笑った。
このシリーズを一通り観ているが映画以外の情報は追っていない家族は「8はレイがなんで戦っているのかよくわからなくて着いていけなかった。一応うまくいっている星もあるのに、そんなに壊滅的状況になっても戦い続ける意味がわからない」とコメントしていた。
正直それ言っちゃおしまいだろうという気もしたが、「孤独だ」以外のレイの内面描写がほとんどないのは説得力に欠けると思う。じゃあ共に孤独で強いフォースを持つレンくんとレイの違いは何なの?仲間がいるとかそういう?ハリポタかな
 
 
 

スノークが雑魚い

 
本作一番の衝撃、スノーク
ep8公開以前は「ダース・プレイガス(不死の術を心得たすごいシス)なんじゃないか」「フォースを司る一族なんじゃないか」などなど大物候補が正体として挙げられていたが、蓋を開けてみれば「お前らの心なんざお見通しなんじゃ青二才めがw」と散々煽り倒しておいたカイロ・レンくんにサッサとやられてしまった。
 
 
 
いやいやいやいやいやいや
 
 
 
弱すぎでは???!????!?
 
 
 
というかレンくんの「よっしゃコイツ殺って俺が銀河支配したろ」という心の動きは読めなかったのだろうか。
レンくんは優秀な閉心術の使い手なのかもしれない。見た目スネイプっぽいし。
まあダース・シディアスもベイダーにあっさりブン投げられたしジェダイ・マスター陣もパルパティーンの正体に気づかなかったしその手のことを考えたらキリがないが、この二例は強キャラと強キャラの化かし合いなのでまだわかる。今回力の差は
スノーク>>>>>>(超えられない壁)>>>レン
くらいに思っていたので強キャラ感を散々出していたスノークがサッサと倒されたのには呆気に取られた(悪いほうに)。だってこんな青臭いボンボンのレンくんに倒されるなんて……
 
そして晴れてレンくんは暫定ラスボスになったわけだが彼は本当に大丈夫なんだろうか。
スノークを倒す」というわかりやすい目標を失った今、ep9では何をもってゴールとするのかが不安になってきた。
 
 

③レイア、フォース宇宙遊泳で奇跡の生還

 
大好きなレイアが生きていたのは有難いが、こういうチート技を出すと前の設定との齟齬が生まれるし不毛なパワーインフレのもとになるのでやめたほうがいいと思う。中学生の小説じゃないんだし。
これじゃ10〜12はフォースだけで惑星スッ飛ばすくらいしないと強キャラ感出なくなっちゃうよ。
 
 
(追記: フォース宇宙遊泳はクローンウォーズで既出の技らしい。マジか。ならまだいいや……?とりあえず今度ちゃんとクローンウォーズ見よう)
 
 

④ローズに魅力がない

 
新キャラ、整備士のローズ。このキャラはなんというか、「彼女ならこう動くだろうな」という考えのもと動かされているよりは「こういうメッセージ伝えたいからコイツに言わせたろ」という魂胆が見えてくる。性格が見えないというか。
設定がキャラの動きに活かされていない。例えば整備士なら持ち前のメカ知識を活かした戦い方をするとか。結局戦闘機に乗るんなら整備士のキャラ付けの意味があまりなくなってしまう。
終盤のフィンとのキスは何で入れたんだ。出てきた男女をとりあえずくっつけとけという投げやりなラブシーンには違和感しかない。ハンソロとレイア、アナキンとパドメの関係性の発展は丁寧に描かれていただけに、こういう雑な恋愛描写は粗が目立ってしまう。なら仲間愛でいいじゃん!どこで恋芽生えてたん?それならレイとカイロ・レンのほうがまだ恋芽生えてそうに見える
 
 
 

アクバー提督あっさり死んだ

 

 

これは暴挙ですよ!!!!!!!!!!!!!!!

別にスノークなんていうポッと出の悪役がサッサと死のうが別にいいんですよ。たださ!提督!

 

アクバー提督は爆発によって死にました的なナレーションだけで終わってしまうんですよ!悲しすぎる。そんなことがあって良いのか

 

アクバー提督は反乱軍時代から長きに渡って帝国と戦っていた英雄。こんなにあっさり殺されてしまっては困る。

もっと彼に華を持たせてほしかった。

 

例えばあそこでアクバー提督を死なせず自らを犠牲にしてハイパースペースでスターデストロイヤーに突っ込む役回りをアクバー提督に担わせるとか。

全体的にあの新しくリーダーになった紫頭の人はどうも微妙だ。アクバー提督がその役割を負ったほうが「彼なりに考えがあって今は耐えて待っているのだろうな……」という説得力があった。まあそうするとよくも提督に楯突いたな台無しにする気か!とポーダメロンにヘイトが集まってしまいそうだが

 

 

⑥全体的にゴチャついている

 

ピンポイントでなく全体的な雰囲気の話だが、あまりにも盛り込みすぎて後で思い返そうとすると「……で結局ここはどうなったんだっけ?」といった混乱が生じた。

 

詰め込まれていたことによる面白さもあったからしょうがないけど、微妙なシーンを削ってもっと大切なカッコいいシーンをじっくりやっても良かったんじゃないか。

 

例えばハッカーを探しに行った戦争ビジネスで豊かになった星のシーンなんかは長かった割に相当印象が薄い。資本主義の豚どもを愉快なエイリアンに乗って蹂躙していくシーンは爽快だったし、奴隷の子供たちはエンディングに必要だったのもわかるが……なんだろう、感覚的な問題になってしまうんだけど、身もふたもないことを言うとあんまりカッコよくなかったんだよねここ

 

 

 

大体こんな感じだろうか。

この映画、面白かったし好きなのになんか引っかかるな……と感じたポイントを文章にしてみた。

 

なお、今まで言及していないが、マーク・ハミル自身が監督と解釈違いを起こしていたルークの描写については、「ある程度妥当だと思うし腑にも落ちたが後から考えると違和感がないとは言い切れない」といったところだ。

まるで役人の釈明会見のように歯切れの悪い表現になってしまうが、まだ自分の中で消化しきれていないので、この点はまたスッキリしたら書こうと思う。

スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ ネタバレあり感想+考察(好きな点編)

登場人物も増え、様々な要素をこれでもかと盛り込んだ『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』。

鑑賞から時間が経って自分の中で少し整理がついてきたので、この映画の好きだった部分を中心に感想を書く。
長くなったので気に入らなかった点は次記事で……

まず初めに、この作品を見た時の印象は「好きか嫌いかで言ったら好き寄りだし、カッコいいシーンがたくさん見られて嬉しいが、失笑してしまったシーンや話の流れの意味がわからないシーンもあり、手放しにすごい映画とは言えないな」という感じ。
面白いけどモヤモヤする点はあった。

なお、このレビューは本作鑑賞を前提としたバリバリネタバレありのものなので注意。









※※※ネタバレ注意※※※
















スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ』個人的に良かったシーン


①オープニングの戦闘がカッコよかった
今作はポー・ダメロンのキャラ付けがわりと好きだ。なかでもドレッドノートをぶっ壊すために孤軍奮闘していたオープニングは本当にクール(その後降格されたけど)。
レジスタンスは追い詰められ危機的な状況の戦いだが、ポーの鮮やかな飛びっぷりは爽快で序盤からワクワクした。BB-8も健気に頑張っていて応援したくなった。
突っ走る天才パイロット、ちょっとだけep2あたりのアナキンが重なる。


②レイとカイロ・レンの共闘

どういうわけか二人はフォースを使ってテレパシー的通信を始めた(フォース・チャットとか言うらしい)。
演出はちょっとアホ臭かったけどレンとレイが互いの心の孤独を感じ取る話の流れは良かったと思う。
ところでこのシーンで頭の中で前前前世が流れ出したのは私だけじゃないとわかって安心した。みんな考えることは同じだな!

スノークの前に引き出されたレイ。所詮お前らはまな板の上の鯉といった調子でレイとレンを煽り倒すスノーク(この時はめちゃくちゃ強いじゃん!どうするの!と本気で思っていたよ…)はカイロ・レンにレイを始末せよと命じるが、レンはライトセーバーを遠隔操作してスノークを貫いた。

ここから始まったレイ&レンコンビvsエリート・プレトリアン・ガード戦とその後の一連の展開はクールだった。もうハラハラしながら見守っていた。
ライトセーバーの扱いも二人とも荒削りで力をちょっと持て余してる感が良い。
ここのシーンはキャラクターと背景ともにスタイリッシュでめちゃくちゃ厨二心刺激された。心の中学二年生が身悶えしていたよ。
あとはレンくんライトサイド帰還かと思いきや「手を貸してくれ、二人で銀河を支配しよう」オチであんたラスボスなの????ええ??大丈夫???と心配になった。
ここまで人を心配させる悪の親玉はロキちゃんぐらいではなかろうか。


③ルークの最後の戦い

迷いを振り切り次世代に希望を託す決心がついたルークさんは窮地に陥ったレジスタンスを救うため最後の戦いに出た。
壁の向こうから一人敵地へと歩んでいくリビングレジェンドっぷりには震えた。
マキシマムザ憎悪でキレたカイロ・レンに集中射撃を浴びせられるも何食わぬ顔で肩のホコリをパッパッと払うルーク……心の中学二年生が(略)
その後の一騎打ちで猛り狂うカイロ・レンをいなして余裕ある立ち回りで格の違いを見せつけるところも最高。
波乱の人生を経てルークが最後にたどり着いた境地が一挙手一投足に出ていて渋くてアツかった。
そしてまさかの「これは分身でした(霊体って言っていいのか?」オチ。これには映画館で20秒くらい目ん玉見開いていた。
宣伝の時点で「ヴィジュアルが白いルークと黒いルークがいる、もしかしてルーク闇落ちか?」なんて説やクローンルーク説(?!)も生まれていたけど黒ルークは分身だったんかい。
まあこの最後の一連の流れは素直にカッコ良かったと言える。
分身を飛ばした後あんまりあっさりフォースと一体になってしまったのは寂しかったが、綺麗な終わり方ではないだろうか。



これ言うと怒られてしまいそうだがヨーダというキャラがあまり好きではなかった。
だって偉そうな保守的意見ばかり言って結局アナキンは闇堕ちするわジェダイ・オーダーは崩れるわで最強のジェダイなのにこのおじいちゃん一体何やってんの?と不服に思っていた。
だがヨーダに対するイメージは本作で一転した。
彼が長い長い人生を捧げてきたジェダイという存在の象徴をいとも簡単に燃やしてみせる迷いと執着の無さに感服した。
ジェダイ・オーダーの興亡をその目で見てきた彼は、ライトサイドを継ぐ者としてのジェダイの尊さと、組織としての・師としての傲慢さゆえ若い者の闇に寄り添えず結果としてシスを生み出すことになってしまった歴史、両方を理解した上で過去のものとして葬ることを決めたのだろう。
貴重な書籍を燃やしたことに迷いを感じるルークに「本が何になる?読んだことがあるのか?読んでもつまらないだけじゃ」と諭してみせるヨーダに目頭が熱くなった。
あまり好きになれなかった新三部作のヨーダだが、このエピソード8を観た後ならプリクエルのヨーダに対する思いもまた違ったものになるかもしれない。


⑤等身大のキャラクターとしてのフィン
フィンが好きだ。
フォースの覚醒とローグ・ワンに共通してここ最近の傾向として見られるのが、選ばれし英雄による神話からごく普通の人々の連帯による戦いへという転換である。
フィンはそんなごく普通の人々の代表だ。フォース感応力もなく、また聖人でもない。大義よりも自分と身の回りの安全を重んじ、土壇場で逃げようとしてしまう場面もある。
エピソード7,8通じて優れている点はフィンのキャラクター描写だ。
こういうキャラクターはともすると「雑魚がでしゃばりおって」と反感を買うが、フィンは勇気と臆病さ、優しさと未熟さを併せ持った複雑かつリアリティのある性格の描写がなされており、鑑賞者が自然に感情移入することのできるキャラクターだと私は思っている。
8のフィンは7から少し成長している。
序盤のレイを危機的状況に巻き込まないために通信機とともに脱出しようとする行動は、レイと自分が助かれば後は何とでもなれという魂胆が透けて見えたが、そんな彼もラストでは仲間みんなを救うために自ら犠牲となってKAMIKAZEしようとする(妨害されたが)。
フィンというごく普通の人間のこの先を今後も楽しみにしたい。


⑥ポーグがかわいい
事前発表時はかわいい!と素直に歓迎する声とまたこんな女子供に媚びたキャラクター出しやがってディズニーこの野郎という怨嗟の声両方が見られたポーグ。
蓋を開けてみるとやっぱりかわいい。
かわいいし、物足りないと思うほど出番が少なかったのでシリアスシーンを寒いギャグで妨害することもなかった。
目障りにならない程度のかわいさ、丁度いい。あとまさかの丸焼きにされていてかわいそうだった。衝撃のスター・ウォーズである。
ぬいぐるみ買おうっと。
個人的には「BB-8 ミニクリップ」のアニメっぽい絵柄のポーググッズが欲しいところだ。


⑦惑星クレイトの戦いがカッコいい
観賞中、私の中のHonest Trailers がクレイトのことを「映像映えのためだけに作られた星」とdisって止まなかったが、実際カッコいいので仕方ない。
塩に覆われた白い地面が戦闘機の排出する空気の勢いで地表がむき出しになって赤く染まっていくシーン、素直にかっこいい。映像として本当に綺麗だと思う。


余談だけどHonest Trailers は今回出たクリーチャー達(ポーグや狐とか)にポケモンっぽい名前つけそうじゃないですか?ルークに乳絞られてたやつなんか絶対「クリーピーミルタンク」って呼ばれてると勝手に予想している。


R2-D2がレイアの「助けてオビワン・ケノービ」のホログラムを流すところ

ルーク「ずるいぞR2」
私「ほんとそれな(涙を流しながら)」



⑨エンドロールのキャリー・フィッシャー追悼クレジット

泣くよね。




以上が主に気に入った点だ。細かい取りこぼしはあるかもしれないが、2回目以降で拾っていこうと思う。
次回は気に入らなかったポイントについて書く。

スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ ネタバレなし感想

(ネタバレなしのレビュー。エピソードバレはないが話の流れがわからない程度の全体的な雰囲気の描写はあるので、それも避けたい場合は逃げてください)





最後のジェダイを観てきた。

映画館へ行く前はクスリを盛られた子犬の如くはしゃぎ回っていた。公開最速で観られなかったのでネタバレ回避に全力を尽くした。

あまりにも情報量が多すぎて未だに整理が追いついていないが、とりあえず良かった。
上映時間は今作がシリーズ最長だそうだが、そんな長い時間のなか一瞬たりとも見飽きることはなかった。正直言ってちょっと笑っちゃいそうなアホくさいシーンはあったけれども。

細かいことは後日書くとして、ひとまずネタバレなし(雰囲気だけ、細かいエピソードなし)の感想。







アツいしとても面白かった。ep5っぽさもありつつ今までにない雰囲気を感じてスター・ウォーズファンの好き嫌いは分かれるかもしれないが私は好きだ。
所々ハリポタやジブリすら感じるシーンがあって笑ってしまった(謎の精神ターン)。

登場人物はみなカッコ良かった。少々掘り下げの浅さも感じたが十分詰め込みまくっているのでこの辺で丁度いいのだろう。

宣伝では散々「衝撃的な展開」を謳っていたが、その言葉に偽りはない。この流れなら次はこうなるだろうなぁという観客の予想をことごとく裏切ってくる。
ことこの作品に関してはネタバレは絶対に避けるべきだ。ネットの海には思いもよらない所に唐突なネタバレが潜んでいるので観るまではおちおちネットもできない……


ep7ののち役者インタビューなどを散見する中で不安に思っていたのが、キャラクターの印象が崩れないかという点だが、その心配はない。
既存キャラはちゃんと大事にされているし、新キャラもますます好きになれる作品だ。……と個人的には思っているが、小さい頃からスター・ウォーズとともに育ってきました的な思い入れの強いファンからすると違うのかもしれない。

ゆるくオタクをやっていると作品の新シリーズを作る際に元々のキャラを新キャラの踏み台にするなどないがしろにして既存ファンの反感を買っている場面を散見するが、スター・ウォーズサーガの新シリーズではレイやフィン、ポー、そしてカイロ・レンといった新キャラを魅力的に造形しながら旧キャラの物語もしっかり続いており、各々が信念を持って生きているところが伝わってくる。そこはエピソード7・8を通じて続三部作の優れている点の一つだと私は考えている。


いやしかし、本当に情報量の多い作品だった。キャラも増えているわ、次々と場面は展開するわで一瞬も気が抜けない。
終わってみてちょっとよくわからんぞと思うシーンがちょいちょいある。良くも悪くも詰め込みまくっている。

一度観ただけだと飲み込めていない部分もあるので、スケジュールが許せば少なくともあと二回は観ようと思っている。

バレありの詳しい感想は後日。

朝夏まなとさん東宝所属決定&退団後コンサート

ここのところブログの更新を怠っていたが、まぁ様の所属事務所が東宝に決まったそうだ



東宝入りは瀬奈じゅんさん以来10年ぶりだそう。まぁ様おめでとうございます!

良い事務所に入って今後もコンサートに舞台に、たくさん活躍してほしいなー。
東宝エリザ出演とか!
トート閣下も妖艶で魅力的だったが、今度はまぁ様のシシィも観てみたい。まぁ様シシィ、今はまだ想像がつかないけど……


退団後初のコンサートも決まったことだし。


MANA-ISMのプロモーション画像むちゃくちゃカッコいい……

全身画像だとまぁ様のスタイルの良さが際立って惚れ惚れしてしまう。

インタビュー記事曰く、髪を一旦切ったのはここから先伸ばすからだそうで、ここから先のまぁ様は女性モードなんだなあと改めて思った。
ネイルもなさったそうで。
4月のMANA-ISMの時には長い髪になっているんだろうか?それともこれまで通りのスタイルなんだろうか(私はまぁ様の今の髪型がとても好き)。

でも風共のスカーレットの画像見ると女性らしいヘアスタイルもすごーーーくお似合いなので、まぁ様ならどんな髪型でも素敵に見えるはず!
元々のお顔立ちが漢!って感じではなく中性的な感じ(むしろ女性寄り)なのでそんなに違和感は無いんじゃないかな。


ド新規ゆえ好きになったジェンヌさんが退団するのは初めてで、まぁ様が宝塚を去ってしまったのは寂しいが、今後どうなるのかをこんなふうに色々妄想するのは楽しい。

スター・ウォーズを楽しむのに4DX/MX4Dはいらない

遂に来た、スター・ウォーズ 最後のジェダイ前売販売!



本日(12/1)0時からTOHOシネマズやユナイテッドなど一部劇場で12/15〜17辺りまでの前売チケット販売が開始されたようだ。


『フォースの覚醒』をきっかけに過去作を観てSWにすっかりハマってしまった私はep8公開を2年間待ちわびていた。

情報を逃すまいと長らく数多くのサイトをチェックしていたわけだが、ここまで興奮しておきながら実はまだチケットを取っていない。


一つ重大な問題があるのだ。



【4DXやMX4Dいらない問題】

どういうわけか、現段階で予約のできる近所の映画館はことごとく4DXやMX4Dしか選択肢がないのである。

改めて述べる必要があるかは不明だが、4DXは映画の内容に合わせて座席の揺れやミスト、送風などが起こる体験型の上映形式である。要はスター・ツアーズのようなもの。
MX4Dはこれを更にグレードアップしたものだ。

文字にしてみると面白そうだが、これ、個人的には積極的に観たいと思えない。


【4DXやMX4Dが好きではない理由】

①高い

単純に値段の問題である。観るのになんだかんだ3000円ほどかかる。普通の2D映画なら2本観られる……


②映画に集中できない

とってつけたように席が揺れたり傾いたりする。ミストが3Dメガネに直撃して水滴で肝心の映画が見えなくなる。噴射される匂いが青臭い。
などといった理由で、映画そのものにあまり集中できない。

本筋から外れるが、MX4Dのシアターで放たれる匂いは本当に変である。

以前ファンタスティック・ビーストを観に行った際、美味しそうなパン屋のシーンでこの匂い装置が働いて青臭い匂いが放たれた時には閉口した。もっと匂いのバリエーションがあって然るべきだと思うのだが……これでは無い方がましだ。


映画を観に行く時は映画のことだけを考えたい。ディズニーランドに行くわけではないのだから、あまりその手のエンターテインメント要素は求めていないのだ。


主にこの2つの理由で私は4DXやMX4Dを観たいと思えない。

まだ電車賃かけて2DIMAXを観に行ったほうが良さそうなものだが、初回は共にSWにハマった家族と一緒に観て感想を共有したいので、地元で観ざるを得ない状況なのだ(自分だけオチを知った状態でネタバレしないよう注意を払うのがめんどくさい)。

そのため、現時点ではMX4Dが無いような小さめの映画館でチケット情報が出るのを待ち、公開日周辺のチケットをいずれ入手するつもりである。
しかし、もう2週間前だというのにチケットが手元にないのはソワソワする。
TOHOやユナイテッド等以外の映画館も早く出してくれ〜〜


【主張まとめ】

一つの作品を観るのに4DXやMX4Dしか選択肢にない状態はあまり有難くない。
より高いチケットを売りたいという意図があるのだろうが、私のように普通の2Dで観るのが一番だと思っている人もきっと多いはずである。選択肢を増やしてほしい。